ということで、葛西海浜公園の「海水浴社会実験」ですが、同じ湾奥という意味では東側に『いなげの浜海水浴場』というのが千葉県千葉市美浜区高浜にあって、東京湾奥でも海水浴は出来ておりました。
今回話題になっているのはやはり『東京』で海水浴ができる!というのがあって、つまりはあの汚染された海域で海水浴ができるようになったのか!という裏側的驚きが元になっているのだと思われますが、泳げるようになるまでにいろんな分野でご尽力されて来た方々には、頭が下がる思いです。
場所はここ。
https://park.tachikawaonline.jp/news/park/12931/より拝借
個人的には自宅からJRで2駅のところで海水浴が楽しめるようになったわけですが、タイトルの通り『海水浴社会実験』ということで、言わば期間限定のイベント的なことで、まだ『海水浴場』というお墨付きが得られたわけではない。
「厳密には葛西臨海公園は海水浴場ではありません。海水浴場は条例で制定することになっていますが、葛西臨海公園は条例で海水浴場に指定されていないのです。葛西臨海公園で遊泳が許可されたのは、あくまでもNPOや公園協会、地元の江東区といった行政が主催するイベントという位置づけだからです」(東京都港湾局海上公園計画課)
ということですが、それでもこうして海水浴が楽しめる場を作ったのは快挙だと思いますよ。
認定NPO法人ふるさと東京を考える実行委員会
夏らしい天気で、ちょっと高いところから見るとこんな感じ。運河を挟んだ向こう側で海水浴です。
ざぶ〜んと波が来るわけではない遠浅の干潟なので、たくさんの人が歩くとドチャ濁りになってしまいます…。濁っている=汚い、わけではないのですが、ま、確かに夏の青い海ぃ〜的な爽快感はやや薄れますが、足を浸けてるだけでも十分涼しさを感じます。
でもやっぱり誰もがホントに水質とか大丈夫なの!?という疑念は多少なりともあるかと思います。
この日油膜、COD、大腸菌に関する値はひとまずクリアされていたようです。開催期間中、大雨やゲリラ豪雨があった後だとこの基準値がオーバーすることはあり得るので、そこは当日のお知らせや自分なりの判断で行く行かないを決める必要はあります。
7月25日に開催されたお台場の海水浴は、昨年同様『顔つけ』禁止だったようです。
2日間限定、お台場で海水浴…「顔つけ」は禁止
お台場という場所の近くには芝浦水再生センターという下水処理場があります。
芝浦水再生センターは、昭和6年に稼働した東京で3番目に古い水再生センターです。周辺環境は、かつての港湾倉庫街から、オフィスビルの立ち並ぶ都心の市街地に変貌しています。処理区域は、千代田・中央・港・新宿・渋谷区の大部分及び品川・文京・目黒・世田谷・豊島区の一部で、面積は6,440ヘクタールです。これは、JR山手線の内側の広さに相当します。
https://www.gesui.metro.tokyo.jp/odekake/syorijyo/03_01.htmより引用。
ということで、東京住環境は上へ上へと伸びて面積は同じでも人口は増え続けているのですが、それに伴って下水処理場も重層的に増えているわけではないので、処理能力に関しては常にプレッシャーを受けているのではないかなと。実際、ゲリラ豪雨や大雨が降れば処理しきれず、塩素混ぜてやむを得ず放流ということもあるようです。
で、このような働きかけをしてる人がおられます。榎本茂さんのブログです。
未浄化下水の放水を止め、泳げる海を!
2020年のオリンピックでトライアスロンやるっていうのなら、それを理由に水質改善が進むのであれば、オリンピック招致の意義がこういうところでもあったと後々評価される時が来るのかな!?
水質改善のためにはいろんなことが絡み合っていて、単に東京の下水道処理場が強化されればよいというものでもないようです。
各河川の上流域での対策とか、それこそ各家庭で米のとぎ汁を流さないようにするとか、油分は紙で拭き取って流さないようにするなど、仕事で帰って来て食事の支度するときにそこまで気をつけてられるか!と思ってしまうことも含めて、個人的に出来ることをどこまでやれるかにもかかっていると思われます。
でもやっぱり、ゲリラ豪雨や大雨の後、処理能力が超えたので塩素混ぜただけでやむを得ず放水ということは、なくなって欲しいなぁと思います。