前回書いたブログ『営業らしい営業はして来なかったけど、営業って何!?フリーになって20年。』で、営業なしでやって来れてよかったね。的な話もあって、そうとも言えるかもしれなけど、あれがひとつの“営業スタイル”の話のつもりでした。
営業するってことは何も実際に訪問セールスすることだけではなくて、自分でやった仕事自体が営業ツールになり得てることが大事! みたいな意味でした。仕事が仕事を呼ぶみたいなことでしょうか。長年お付き合いさせていただいている著名なイラストレーター氏なんかはまさにそんなことなんぢゃないかと思われます。
後で「あ、あれあなたがやったデザインだったんですね。」という話に繋がったりとか、今度の企画でこんなデザインで行きたいんですけど…と見せられた見本のデザインが、僕が以前やったものだったということがあったりします。
「あ、それ僕がやったものですよ。」で、その後の話はスムーズに…。
デザイナー候補いくつかあった中で、絞って指名してくれたその担当者のデザイナー選択センスに、感謝とありがたさでその仕事のやる気も倍増するってもんです(笑)で、大抵はその仕事うまく収まります。
これらはクライアントさんとしっかりやりとりして限られた中で仕事出来た。
でもま、だからってやった仕事が全て問題なく、すんばらしかったわけではなく、むしろ後になってあそこはもうちょっとこうすればよかったな…とか、あのとき出て来た意見をもうちょっと深く理解出来てれば、もうちょいイイ方向に持ってけたのになぁ…とか思うものの方が多いです。
ということで、そういう面での悩みは依然尽きること無い中、ハードもソフトも進化し続けて人様の利便性が上がっていて目出度いハズなのに、デザインする側はう〜んと唸ってしまうケースが、自分的にwebデザインの過程で増えて来ております。
もうずいぶん前から言われている『モバイルファースト』って考え方のwebデザインのことですが、スマホ利用者が増えた現在、web閲覧の利便性をPC優先にするんではなくて、スマホでの利便性を優先するということです。
もちろんこの世のwebサイトの全てがモバイルファーストでなければならないわけではないんですが、アクセス数の半分以上がスマホ中心のモバイル機器からだったら、これは要検討だと思われます。
で、スマホが出てくるまではPC版の他に携帯版、それもi-mode対応分とかキャリアごとにそれぞれコーディングが必要という時代がありました。今はPC版がスマホ対応された『レスポンシブ』デザインで対応することに。PC版のものが画面の小さいモバイルで閲覧しようとしたら、自動的にその解像度で読みやすく表示されるという仕組みです。PC版のものが単にそのまま縮小されたものではなく、ちゃんとそれ用にレイアウトが変化して文字の大きさや画像もそのサイズに合わせて表示される技術です。このサイトだとこういう感じです。
↑PCで見たレイアウト
↑iPhoneで見たレイアウト
デザイン的にも『フラットデザイン』というものがスマホ画面上のデザインとしてすっかりメインになって、違和感を感じなくなってしまいましたw 以前こんなブログ書いてた。『フラットデザインとアイコンとピクトグラム』
モバイルという画面サイズの小さな中で読む、見るということが苦ではない作りに、というのが基本にあるべきということですが、それに対しては何の異論もございません。が、ここらあたりからグラフィックデザイナー上がりの者(ってグラフィックやめたわけではない)が、web構築するときに唸り始める段階です(笑)
フラットデザインって画面の小さなモバイルで見るときに、邪魔にならないよう出来るだけシンプルに収める…という目的を持ったデザインのことだと思いますが、PCというそれなりの大きさの画面サイズで見たときに、間の抜けた感じになってしまうのは避けたいとデザインするときに思うわけです。
小さいスペースでデザインしたものを、文字要素や画像は同じだからそれをそのまま拡大してポスターとしても利用してしまおうという場合、ホントにそのまま拡大してみると、間のバランスがやはり悪いので、微調整することになります。しないといけないのです。してないと思われるもの結構ありますが。
だから、PCの大きめの画面で見るときにあるべきデザイン要素と、それを小さな画面で見る時に必要となる要素は、ホントは違って来ると思うのです。PC版で見たときはあの部分、画像でもよかったんだけど、小さい画面で見るとそのまま縮小されてそこにあった文字はルビか? みたいな小ささになって読みづらくなる…。その辺の兼ね合いどうするかのぉ、と思うのです。
僕より年配のデザイナーさんは、フラットデザインなんてのっぺりした手を抜いたデザインって感じてるんぢゃないかと思われます。実際、僕のかつての上司は完全にそうですね。なんじゃこりゃ?と。で、当然そういう人の元で働いてた僕もその辺同じような感覚が残っていて、やはりこれは手を抜き過ぎているのではないかと疑ってみたりと、割り切る境界線をどこにするかなかなか難しいところなのです。
ところで、デザインがうまくてきれいだけどあまり更新頻度高くないサイトと、デザイン大したことないけど頻繁に更新されててアクセスも売上げもそこそこあるサイトと、どちらがあるべきウェブだと思いますか?